首・肩の問題について
こちらも腰の問題に次いで非常に多くの方がお悩みになっているのが、首や肩で起きている問題が関係している症状。
首や肩周辺に問題がある場合、その周辺の痛みや手腕の症状のみならず、頭痛やめまい、自律神経などの問題に関しても大きな影響が出る場合もあり、また原因になる要因も幾つも考えられるものがあります。
●こちらも他の部位と同様に頸椎(首の骨)の変位による神経の圧迫や椎間板(骨と骨の間にある緩衝組織)の突出してしまう状態、いわゆる椎間板ヘルニアと呼ばれるものや、同じく頸椎の変位また骨の変形や骨棘の発生(骨の棘やこぶの様なもの)による神経や脊柱管への圧迫などで起こるもの。
●首や肩の周辺の筋肉への負担や疲労が蓄積し、それが筋肉や筋膜の疲労や炎症、それに血行不良などを引き起こし、それが一般で言う「肩こり・首こり」と言われる強い張りや筋肉の緊張が首肩で起こります。
それに特に首に問題がある場合はその状態や場所に伴って、首や肩の症状以外にも非常に多くの問題を引き起こす原因になります。
手や腕のしびれや痛みや頭痛をはじめ、問題のある場所によってはめまいや自律神経の問題など多くの二次的な症状を引き起こす原因にもなります。
近年、うつ病においても首の状態や症状が大きく影響すると説を唱える研究者もいます。
この様に人間にとって非常な重要かつ大きな影響を持つ首肩の問題は、パソコンの仕様や携帯電話の普及など現代のライフスタイルと相まって急激に増えてきていると言われています。
首・肩の問題を生じさせるその原因は?
首や肩の問題の場合、腰の問題以上に生活習慣やライフスタイルの影響、姿勢の悪化などが大きな原因と言われています。
そもそも首は体重の10%と言われる程の重さを持つ重たい頭を支えているという時点で非常に普段から大きな負荷がかかり続けています。
しかし、その大きな負担とは裏腹に体幹から急激に細くなる構造で筋肉の量もそれに比例して少ない部位であり、構造的にも”弱点”と位置づけられることもある部位です。
そしてその貧弱な首の負担をフォローすべく、肩や背中の筋肉がその負担の一部を担う事で首の正しい位置は保たれています。
しかし近年、パソコンや様々な電子機器の普及により、仕事や生活の中で長時間それらを使う機会が増えたり、また携帯電話を扱うなどの姿勢において、比較的下を向く機会が増えたり、頭の位置が前方に出てしまうなどの姿勢の悪化により、首やそれを支える肩への負担が増えていると言われています。
更に姿勢の悪化で頭位が前方に来てしまうなどの影響は首の骨の並びに本来あるべき前方へのカーブを減少させてしまい、”ストレートネック”と呼ばれる状態を生み出す原因の一つとなります。
その”ストレートネック”と言う状態に首がなってしまうと、頭の位置が重心から移動した場合、更に首の付け根や後頭部付近などの一部に局所的な負担がかかるようになり、局所的に強い症状や頸椎の変位が生まれやすくなってしまうのです。
首・肩の問題、どうすればいいの?
首や肩に問題において、最も重要な事の一つとしては頭の重さからかかる負担を軽減させる、またかからないような状態を保つという事が重要です。
●まずはご自身の姿勢や頭の位置をチェックして、身体の重心の置かれている場所に頭が来る様な姿勢へと改善していく事が非常に重要です。
”猫背”と呼ばれる背中が丸まってしまう様な状態が身についてしまっている場合、構造的に頭を重心に置く事が難しくなってしまうので、背中の姿勢に関しても同時に直していかなくてはならない場合が多くあります。
事務作業など日頃からパソコンなどで長時間にわたり作業を行う様な方は、やはり腰の時と同様に座位での作業中の姿勢の改善を中心に行う効果的だと言えます。
腰の時と同様に出来る限り深くかける様に心がけ、浅く腰の丸まった状態などで椅子に長時間かける様な座り方は避け、その上で作業中の頭の正しい位置を身に着け、習慣づけましょう。
●それに肩や背中などを中心に適度な運動、そして首を支えている僧帽筋や胸鎖乳突筋、斜角筋などの筋肉に対してマメにストレッチなどの柔軟体操を行い、首や肩の周辺の筋肉の疲労が溜まらない様に保ち、血行不良などが起こりづらい状態を維持しましょう。
それにもう一つ、肩甲骨の柔らかい状態を維持する事は非常に効果的だと言われています。
●それから首や肩の問題に関してもやはり食生活を含めた、生活習慣の改善に取り組む事も重要で、ストレスや結構改善に有効と言われるビタミンEやCを含んだ食品を多く摂ったり、パソコンや携帯の操作に関しては一定の時間で区切って、休憩をはさんだり、体操したりするなどして疲労を蓄積させない様な習慣を身に着ける事も大切だと言えます。
そして首や肩の症状においてもやはりすでに出ており解消されない場合はそれぞれの症状に適した治療や施術を受けなければ症状の改善にはつながりません。
首を支える筋肉や筋膜の炎症や緊張に関しては、その筋肉の炎症や緊張を取り除く為のアプローチでの施術や治療が必要ですし、頸椎などの変位などで起こる場合に対してはその椎骨の変位や問題を構造的に解決しなくては症状は改善していきません。
首や肩周辺の筋肉の過緊張や血行不良による症状は鍼や灸、マッサージや温熱治療などにより、筋肉の緊張を和らげてあげる事が一般的には有効だと言われています。
しかしながら、頸椎などの変位による強い急性の痛みの場合はそれらの方法で血行をあげてしまう事で症状が悪化してしまう事もあります。
そういった場合に関してはアイシングを施し、状態が落ち着いたところで頸椎の変位を矯正する事で症状が軽減する事が多くあります。
いずれにしても、まず大切なのは「その痛みや症状の原因は何なのか?」と言う事を突き止める事だと言えます。
その為にはご自身がお悩みになっている症状の特徴を細かく把握し、医師や施術者に正確に伝えるようにし、それでも改善しない場合は他の場所でセカンド・オピニオンを仰ぐ事も大切です。
カイロプラクティックでの首・肩の症状へのアプローチ
カイロプラクティックでの首や肩の問題へのアプローチでは頸椎の矯正はもちろんの事、頭位の調整の観点から胸椎や胸郭に対するアプローチ、場合によっては腰椎や仙骨などの調整も行い、全体的な身体や重心のバランスを考えた施術を行います。
頸椎の変位が起こった場合、そこで神経が圧迫され、その神経が支配している部位に強い痛みやしびれなどの症状が現れます。
またその神経の圧迫の影響により、圧迫される場所によっては手腕のしびれや痛み、頭痛やめまい、自律神経の症状などが出る事もあります。
カイロプラクティックはそういった椎骨の変位する事によって起こる神経の圧迫を取り除き、直接的に症状を軽減させたり、更にその圧迫によって併発している症状についても同時にアプローチしていきます。
更に予防と言う観点からは頭位を中心に頸椎、胸椎、腰椎、そして仙骨の状態や位置、角度を加味した上で理想的なバランスを考え、それに合わせた施術を施し、全体的なバランスをとることで首や肩に負担のかかり辛い状態に身体を調整していきます。
そういった点でカイロプラクティックは症状に関しても、また症状を起こさせない予防と言う観点からも優れたアプローチだと言えるのです。